これで誰でもミキシングエンジニア!? ミックスの「基本」とは?


自分は専門のミキシングエンジニアではないんですが、趣味や制作仕事の一環で日々音源のミックスをしています。
そんな中で「ミックスのコツってありますか?」と聞かれることも増えてきました。

正直、派手な裏技なんてないと思っています。
うまくいかないときに見直すべきなのは、たいてい基本的なポイントやアレンジの整理だったりするんです。

先に言っておきますが、ここではボーカルのピッチ修正の話は一切出てきません。
ボーカルの修正は「ミキシングエンジニアの仕事の一つ」ではあっても「ミックス作業」じゃないと思っているので……。

ミキシングブース(AI生成)

というわけで今回は、自分がミックスするときに気をつけているポイントをリストアップしてみました。
これで一流エンジニアに…とはいかないかもしれませんが(笑)、「うまくいかないな」と感じたときの確認リストにはなるかと思います。

ミックス時に気をつけていることリスト

  • 複数マイクで録った音源は全体のミックスを始める前に先に位相を揃える(ただし、アンビエント/ルームマイクは別)

  • 各トラックの位相の確認(モノラルチェック)
  • 各トラックの不要な帯域(特に低域や濁りの帯域)をカットし、音の明瞭さを保つ

  • 音像を手前に引きだしたり奥に置いたりしたいときは、EQだけでなくトランジェントも含めて調整

  • 強いアタックのあるトラックは、コンプをかける前にリミッター/クリッパーでアタックを揃える

  • コンプやリミッターを深く掛けたい時は一度に深くかけず、数段に分けて無理のない設定の積み重ねにする
  • サステインの長い音色は3~5kHzのブースト/カットできらびやかさのコントロール

  • サステインの短い音色は1~2kHzのブースト/カットで硬さのコントロール

  • 帯域毎にステレオ感の整理(低域はモノ、高域は広げる)

  • マスキングが起きていないか確認し、EQやパンで整理

  • リファレンスと比較しながら全体バランスを確認

はい、これだけです。

もちろん、実際の作業ではもっと細かく色々やっています。演奏のミスをカバーしたり、ボーカルのピッチやビブラートを微調整したり、場合によってはフィルターで大きく演出をかけたり。でも、基本的なミックスはここに挙げたリストの作業のウェイトが大きいと思います。

実は「ミックスが下手」じゃない?

ちなみに…ミックスがうまくいかない一番の原因って、アレンジだったりします。

同じ帯域に強い楽器が集まりすぎていたり、低域の出る音ばかりを詰め込んでいたりすると、どれだけEQやコンプを駆使しても音がごちゃっとしてしまいます。
逆に、アレンジがきれいに整理されていれば、ちょっとしたバランス調整だけで自然に聴こえることも。

下手すれば、プラグインのオート設定だけでも「十分良いミックス」に感じられるケースすらあります。

まとめ:ミックスのコツは「コツ」に頼らないこと

丁寧なアレンジと、基本処理の積み重ね
それこそが、結局一番の近道だと思います。

「ミックスがうまくいかない」と思ったら、
アレンジから見直す。特にボカロPのように一人で音源完パケまで頑張るクリエイターは、アレンジの時点からミックスを見据えて考えていくと、ミックスで苦労しなくなると思います。

近道は無いってことですね(笑)

もし「ここ違うんじゃない?」とか「こんな技があるよ」みたいなものがあったら、twitter…じゃなかった、Xとかで教えてください。


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